音響芸術科(音響・レコーディング 専門学校)

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ミニミニ講座 その5 八王子キャンパス

2009年07月28日 ミニミニ講座 その5 八王子キャンパス

ミニミニ講座 第5回目は「音楽業界の職種について3 MA」
MAエンジニアについてです。

まず、言葉の意味からお話しします。
「MA」とは、簡単に言ってしまうと、TV、映画など映像作品に音を付ける仕事になります。
ちょっと、学問的に説明すると「MA」とは「Multi−Audio」の略で和製英語となります。
なので、海外では通じません。日本独特の用語になります。

ただし、最近では、アニメーション、洋画の吹き替え技術が世界的にトップレベルである事から、海外でも通用するようになってきました。

同じ映像作品でも、付ける「音」次第で、見ている人の印象ががらっとかわってしまう、今では、無くてはならない仕事です。
たとえば、自動車が走り出すシーンがあるとします。
そこのSE(効果音)として、「キュッ」っていうタイヤの鳴る音をつけて「ブーーーー」エンジン音をつけると、見ている人の印象としては、「急いで」発進したってイメージがわいてきます。
止まるときも同じで、「キュッ」付けるだけで急停車ってイメージになります。

ぜひ、「刑事物」とか「サスペンス」物のドラマを見て下さい。必ずこの手法は使われています。

MA作業ですが、今回も「ProTools」を使用します。

MA1

一番上のトラックが、映像で、そのタイミングに合わせて
画面上のグリーンのトラックがBGM
そのほかの細々した物がSE(効果音)です。

ここで分かった人もいるかも知れませんが、もともとは前回説明した、「マルチトラックレコーディング」から派生しているんです。
音楽録音では、トラックにそれぞれの楽器の音でしたが、MAでは、BGM、SE、セリフという形に録音していきます。
もちろん、バラバラに録っていますので、取り直しも出来ますし、タイミングも細かく調整出来ます。
最後は、トラックダウンをして完成です。
レコーディングと同じ流れですよね。ただ、扱う音が違うだけなんです。
なので、レコーディングスタジオとMAスタジオ、両方持っている会社も数多くあります。
たとえばドラマだったら、テーマ曲とか、BGMはレコーディングスタジオで作って、そのままMAに持ち込んで作業をするなんて事で、便利ですよね。


余談ですが、刑事物とかで緊急連絡が入るシーンでは、パトカーは、ほとんど反対車線を走っています。わざわざ派手な「Uターン」をして現場に向かいます。
これは、映像的な演出です。もちろんMAでもSE・BGMをつけてより効果的に盛り上げる演出をしています。

で、現実なお話しですが今現在、TV番組の約99%以上がこのMAという作業を通して作られています。
後の1%弱は何? と言うと、それは「ニュース」番組です。でも最近は「特集」とかのコーナーがあると思いますがそこでは使われています。
一番すごいと思うのは、夜にやっているスポーツコーナーです。その日にやっている野球のナイターを編集し、MAまで済ませてON AIRしてるんですから。

それと、もちろんですが「LIVE」「コンサート」のDVDなんかもMAしています。見ててわかりますよね。
拍手と歓声とかで、曲と曲をうまくつないでいたりして。

ちなみにここで、コネタですが
WOWWOWとかで、Live中継とかやっていますよね。
映像のカット割りとか、めまぐるしく変わって見づらかったり、もちろん音も聞きづらかったりしてますよね。
あれは、DVDとかで発売する為の「素材」をそのまま流しているからなんです。
この素材を編集して、MAしてDVDパッケージとして発売となります。


 

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